コンツェルン

いくつかの異なった産業部門に属する諸企業が,ある中心部によって支配・結合させられた独占形態のことで,企業連携・企業結合とも称される。コンツェルンは,産業企業がその中心部となり,生産的・技術的観点から形成される産業資本型コンツェルンと,銀行がその中心部となり,産業上の関連を超えて形成される金融資本型コンツェルンとに分けられる。前者の例としては,戦前の日本の日産・日曹・森などがあり,後者の例としては,戦前の日本の三井・三菱・住友やアメリカのモルガン・ロックフェラーなどがあるが,一般に,金融機関を裏付けとした後者のほうがより強力な形態であると言われる。また,コンツェルンは,個別企業の独立性を認めながら形成されるカルテル(企業連合)や,特定の産業部門内においてのみ形成されるトラスト(企業合同)などより強力なものであり,最も発展した独占の形態であると言われる。