エレファント・マン

ストーリー:
エレファント・マン』、それは鬼才デイヴィッド・リンチ監督の名を世に知らしめた、美しくも哀しい物語。

19世紀の末、産業革命による栄華を極めたイギリス・ロンドン。ロンドン病院の優秀な外科医フレデリック・トリーヴスは、見世物小屋で“エレファント・マン”と呼ばれる青年、ジョン・メリックに出会う。メリックの異様な姿にこれまでにない大きな衝撃を受けたトリーヴスは、見世物小屋の主人バイツに交渉し、メリックを自分の研究対象として病院で預かることにした。

タイム誌に記事が報じられたメリックは一躍有名人となり、上流階級の人々がいれかわりたちかわり彼の部屋に訪れるようになった。しかし一方でメリックは、人々の好奇心の的となっていた。病院の夜警員の男は、好奇心にかられた人から金をせしめて、メリックの部屋に忍び込み卑劣な行為を行なった。そんな中、外科医トリーヴスに“商売道具”メリックを騙し取られたと反感を持っていた見世物小屋の主人バイツが、メリックを病院から連れ去り、ヨーロッパ大陸へ向かう。

再び動物のような扱いを受け、容態の悪化したメリックは、この状況を見るに耐えられなくなった見世物小屋の仲間に救われる。メリックは船で再びイギリスへ辿りつく。仮面とマントで身を隠すメリックは、そこでも好奇の的となる。少年に追いかけられ、少女も悲鳴を上げる中、必死で逃げるメリック。大きくふくれあがった群集に取り囲まれ、逃げ場を失ったメリックは叫ぶ。「わたしは人間だ。動物じゃない。人間なんだ。」