フランツ・カフカ Franz Kafka(1883-1924)

オーストリア＝ハンガリー帝国当時のプラハ生まれ。父親の希望でドイツ語の教育を受ける。プラハ大学で法律を学んだ後、40歳の若さでなくなるまで＜労働災害保険協会＞に勤める。生前、出版された作品は『変身』をはじめ僅かであり、その作品の多くが世に出たのは彼の死後であるが、世界各国後に翻訳され、多くの読者を魅了し続けている。2004年は没後80周年にあたる。

カフカはその透徹なリアリズムと純粋な想像力によって、20世紀文学の金字塔と呼ばれる作品を遺した。後世の作家たちへの影響は大きく、現代文学を代表する作家たち（エリアス・カネッティ、ミラン・クンデラ、カミュ、安部公房、ナボコフなど）が、彼に対し最上級の敬意を文章に表している。カフカは生涯サラリーマンをし、昼の時間は仕事に当て、夕食後から早朝までを執筆の時間に費やした。カフカは現場検証に出向き、新しい機械の仕組みや労働環境を調べ、近代産業の内実を知った数少ない作家のひとりである。